車いすクッションが大事なワケ
車いす用クッション は、姿勢の保持や床ずれを防止し、快適な座り心地を得るために大事な製品です。いくつかの種類がありますが、選び方の大切なポイントは、利用する方の状況に合わせて選ぶことです。車いす用クッションは姿勢を保持するのに優れており、快適な座り心地を得ることができます。また、車いすに長時間同じ姿勢で座り続けていると、床ずれになるリスクがあります。これは身体の同じ箇所、特にお尻に体圧がかかり続けていることが原因です。床ずれを防止するために体圧を分散させる機能に優れているクッションが数多くあります。
車いすクッションに求められること
まず１つは長時間の使用でも快適な座り心地が続くこと。２つめに、体圧を分散させる機能により、長時間の使用でも床ずれのリスクを回避できること。姿勢の維持に必要な筋力は障がいの状況によって個人差がありますし、床ずれのリスクも個人差がありますので、その方に合わせた選び方も大切になってきます。
車いすクッションの種類と選び方
クッションの種類と特徴
大きく分けると、ウレタン・ラテックス素材のもの、ウレタンフォームとジェルを組み合わせたもの、空気を利用したものがあります。また、ウレタンフォームと空気を利用したものを組み合わせたクッションなどもあります。
クッションの選び方、注意点
■ ウレタン・ラテックス素材のもの
体圧分散型の素材でできており、比較的安価で使いやすいものが多いです。
低反発から高反発まで数多く製品があり、耐久年数も高く、メンテナンスも必要としないものが多いのでもっとも使いやすいクッションといえます。
しかし、薄いクッションだとお尻が底についてしまい、体圧が底に集中してしまうので、ある程度の厚さは必要になってきます。
体圧分散の機能はほかの２つと比べると弱いので、お尻の感覚がある方、ご自身で座り直しができる方が使用していることが多いです。
株式会社ミキ STクッション
■ ウレタンフォームとジェルを組み合わせたもの
体圧分散型の素材です。体圧分散に優れており、ご自身で座り直しができない方にも適しています。
また、薄い素材でも効果を発揮してくれます。重量としては重めです。
ジェル素材は中身が液体や粉状ですから、クッションが破れるとそこから漏れる可能性があります。
サンライズメディカル J2クッション
■ 空気を利用したもの
エアーセル式ともいわれる、空気の入ったセルが並んでいるクッションです。
体圧分散は非常に優れており、車いすはもちろんベッドにも使われています。
中身は空気なので重量の軽いものが多いです。
セルの部分が破れてしまうと空気が漏れてクッションとしての役目を果たさなくなります。
空気の入り口としてバルブがついているものが多いので、空気圧の調整、高所へ行くときなど定期的なメンテナンスが必要です。
空気圧を自動で調整してくれるタイプもあります。
アビリティーズ・ケアネット株式会社 ロホ車いすクッション（ベストセラーシリーズ）
症状別、オススメのクッション
ご自身で座り直しができる、お尻の感覚があり痛みがわかる方はウレタン・ラテックス素材のクッションが長く使えて安価であり、メンテナンスフリーなのでオススメです。
お尻の感覚がなく、床ずれの発症歴のある方、または床ずれをすでに発症している方は体圧分散機能を優先させたほうがオススメです。エアーセル式、ジェル素材などはクッション自体が柔らかいものが多いので、座位バランスは悪くなりますが、体圧分散には優れています。
会社別のクッションの特徴
サンライズメディカルジャパン
コントゥア形状のベース(基部)による座位保持･座圧分散機能と、製法特許のジェイフロー流動体パッドによる除圧機能をもったものを組み合わせたクッションを販売している会社です。バックレストと同時に使用し、骨盤を正しい位置で支え、姿勢を保ち、床ずれを予防するものです。
オットーボック・ジャパン
フォームとエアセルを組み合わせたクッション（テラフレア）や、クッションの中身の流動体フロームをその方のお尻の状況に合わせて抜いたり、種類を変えることができる（クラウド）などがあります。
株式会社テレウス
柔軟なポリウレタンを特許取得のハイテク製法により、ハニカム構造にしたクッション、スティムライトクッションに注目が集まっています。
株式会社ユーキ・トレーディング
バリライトシーティングシステムという、空気を自動調整してくれるバルブをもったリフレックスや、空気室を２つに分けたメリディアン、ハードバックサポートのICONバックなどの商品を販売しています。
アビリティーズケアネット株式会社
エアーセル式の代表的なクッション、ROHOを販売しています。フォームとエアーセルを組み合わせたものや、セルの位置や高さ、空気調整室を分けたクッションなどさまざまな種類のROHOがあります。
